Yoshihiro Saito
高校时代は、サッカー选手になりたくて、长谷部诚选手の出身校でもある静冈の藤枝东高校に通っていました。海外远征プログラムもあったのですが、自分の学年からは2人だけが行けませんでした。私は家が贫しかったためですが、外的な要因で自分がやりたいことができないことがあると知りました。それから贫困や格差について考えるようになり、当时サッカー选手として世界で活跃していた中田英寿选手がアフリカの贫困地域を回っていたことに刺激され、日本だけでなく世界の贫困に目を向けるようになりました。そこで大学は立命馆大学で国际法を2年间学び、神戸大学の法学部、国际関係?国际政治コースに编入して、さらに国际関係论、国际政治学を学びました。
大学卒业后、2011年から3年ほど商社の人事部で组织开発に関わる仕事をしました。その间ずっと开発への兴味を抱き続け、长期休暇を利用してアフリカ8カ国を回り、偶然出会ったユニセフに勤务していた方の绍介で狈骋翱の仕事を知りました。数年间、休暇ごとにボランティアをした后、「现场で働きたい」という気持ちが固まり、狈骋翱に転职しました。狈骋翱ではエチオピアと南スーダン国境付近にある难民キャンプの运営、管理事业を担当しました。现地で銃撃戦に巻き込まれたり、平和とは何かを考えるうちに、「国家が安定しなければ开発ができない。だからまず纷争が起きないようにしなければならない」と考えるようになりました。そしてガバナンスの中でも国づくりに携わりたいと思い、英国サセックス大学开発学研究所のガバナンスと开発コースに留学しました。
ちょうど3年半ほど勤务した顷、サセックス大学开発研究所の先辈で、「世界银行スタッフの横颜」にも登场している瀬山奏さんから、世界银行で今の仕事の応募が出たことを教えてもらい、ミッドキャリアで挑戦して今に至ります。瀬山さんもガバナンスが専门で、いつか一绪に働きたいですね、と话していたところでした。
世界银行のガバナンス部には700人(※2025年现在)ほどの职员が在籍しており、様々な専门家が世界中で日々働いています。ガバナンス分野は幅広い仕事がありますが、大きく、1)公共财政管理、2)政府调达、3)公共政策、4)骋辞惫罢别肠丑、の4种类の仕事に分けることができます。最近では、国全体を见るだけでなく、世界银行内の他のセクターのプロジェクトにもガバナンスチームメンバーが参加することも多いです。私の所属する部署は3つ目の公共政策で、具体的には、ネパールの地方分権化において政策的な助言を行なっています。
2005年まで约10年にわたる内戦をしていたネパールでは、2015年に宪法改正が行われ、地方に自治権を移譲することが决まり、日本と同じ中央政府が唯一の権限を持つ単一国家から、州などに権限を分担させる连邦制に移行することになりました。具体的には中央政府と3,157の地方政府という体制から、中央政府と7つの州と753の地方自治体という形になりました。
今の仕事では、入行までのすべての経験がつながっていて、何も无駄なことはなかったと感じます。
まず、鲍狈顿笔での仕事があります。ネパールの地方分権化について、鲍狈顿笔と世界银行が一绪に调査报告书を出していて、鲍狈顿笔での勤务中に少し関わったこともあり、ネパールの事情についてもすでにある程度は知っていました。现地に根ざしたネットワークは鲍狈顿笔の强みであり、それを世界银行でも活かせる点を応募时の説得材料にしました。鲍狈顿笔はガバナンス面でも活跃する组织で、そこで得た経験が今の仕事に生きています。
2つ目は、南スーダンの狈骋翱でプロジェクトマネージャーとして数十人の职员を束ねた経験で、アフリカにはアフリカの进め方があることを学びました。今もネパールでコンサルタント数名と仕事をする际に役立っています。开発の现场では、打ち出した政策が结果につながることが大事で、政策が具体的にどのように実を结ぶのか、ある程度体感で理解できていることも强みです。
自分の强みは、3つの掛け算で言えると思います。1つ目はやると决めたらそれをやりぬき、达成させる力があります。2つ目はソフトスキルです。私は、谁からも话しかけやすいと现地职员からも言われることが多いです。いつでも「饮みに行こうよ!」という雰囲気を保つようにしていますが、様々な分野に関係してくるガバナンスでは、他の分野も含めた様々なチームに声をかけてもらうことが仕事をする上でも大切です。「お前と仕事がしたい」と指名してもらうこともあって嬉しいのですが、人に楽しんでもらう力は商社での経験が生きているかもしれません。そして最后は、物事を深掘りして可视化する力です。今、世界银行と并行して地方分権化をテーマに博士号を取得中なのですが、问题をマッピングして根本的な课题を追求するのが好きです。
今の仕事で难しいことはたくさんあります。世界银行は大きい组织なので、质の高いプロジェクトを保証するためのプロセスにも时间をかけます。でも、その分野の知识がある人たちからレビューを受けて赤字を入れられる経験は、とても成长できる机会になります。この成长が、世界银行に入行して一番良かったことでもあります。その世界でトップになりたければ、世界银行は素晴らしい职场です。
私は开発の中でもガバナンスに兴味があり、地方分権化の分野において世界で一番になることが今の梦です。
今はリモートで、英国のキングス?カレッジ?ロンドンで博士课程に在籍しながら仕事をしています。週末は二人の子どもが起きている时间は家族と过ごすことに决めているため、実际かなり大変ではあります。
好きなことを追求することが大事だと思います。世界银行は好きなことを追求している人が多く、逆にそうでないとやりきれない仕事も多いし、生き残れないです。
また、大学生から「开発に漠然とした兴味があるが、専门性をどう绞れば良いか?」という质问をよくいただきます。実际、専门性を绞るのは难しく时间がかかるのですが、时间を决めて、目の前にあることを一生悬命やってみることをお勧めします。やってみて、行动して心に火をつけてください。僕は、商社から现场が见たくて狈骋翱に就职し、行动している间に、ガバナンスという分野が自分に刺さり、火がつきました。
自分の目で见て、五感で感じて実行することを大事にしているのは、自分の心が动かないと続かないからです。本を読んで兴味を持ったら、「本当に自分が好きなことなのか」を知るために、実际に现地に行って目で见て匂いを嗅ぎ、肌で感じてみてください。ただ読むのとは情报量が违うし、実际に见て自分が受ける感覚は违うからです。それでもまだやりたくて、それが自分の兴味だと确信できれば、あとはやるだけです。
商社勤务时代、开発に兴味はあるものの、何がやりたいのかはっきりしなかった时も、アフリカ各国を巡り、直接现地で働いている狈骋翱の职员に连络して人に会いました。どなたも会ってくれましたし、その人たちとは今もつながっています。ユニセフの南アフリカ事务所で勤务していた方のご主人が世界银行职员だったことで世界银行を知るきっかけにもなり、出会った人たちが导いてくれています。人に実际に会うと、奇跡と化学反応が起きます。そうやって道を切り拓いてきたように思います。